CASE 02 · PMBOK 7 INSIGHT ESSAY

PMBOK 7で、
認識が変わった
7つのこと。

手順書だと思う。Tailoringは好きなpracticeを選ぶこと。Qualityはtest。KPIは現実を測るだけ。Projectが終わればValueも確定する。——その理解を、PMBOK 7の概念をつなぎ直しながら一つずつ更新します。

7 SHIFTS

用語を増やすより、見方を変える。

各MapのSourceAnchorから、根拠になった原文へ戻れます。

01GUIDE ≠ METHODOLOGY

PMBOKは、projectの進め方そのものではない。

ありがちな理解

PMBOKを順番に実行すれば、project managementができる。

捉え直すと

具体的なpathを与えるのはmethodology。PMBOKは、そのmethodologyをPrinciplesで解釈し、Performance Domainsで抜けを探し、contextに合わせて補強するためのguideとして読むと役割がはっきりします。

なぜ効くか

この区別がないと、PrinciplesもPerformance Domainsも『新しいチェックリスト』に見えてしまいます。

PMBOKは地図というより、地図の読み方に近い。

ContextからMethodology、Principles、Performance Domains、Tailoring、FeedbackへつながるPMBOK 7の中心ループ
Map 0119 SourceAnchors · 参照から原文へ
02TAILORING ≠ CHERRY-PICKING

Tailoringは、『好きなpracticeを選ぶ』ことではない。

ありがちな理解

面倒なprocessを外して、使いやすいpracticeだけ残せばよい。

捉え直すと

Tailoringは、contextに合わせてproject management systemを再設計すること。あるpracticeを外すなら、それが支えていた情報・意思決定・controlがどこへ移るかまで含めて、内部整合性を考えます。

なぜ効くか

部分最適の寄せ集めは、processを軽くしてもmanagement system自体を壊せます。

Tailoringの単位はpracticeではなく、system。

Tailoringを含むPMBOK 7の重要用語と混同しやすい境界を整理したMap
Map 0219 SourceAnchors · 参照から原文へ
03PREDICTIVE ≠ ADAPTIVE

Predictive / Adaptiveは、思想ではなく『学習できるproductか』で決まる。

ありがちな理解

Agileな組織ならAdaptive、堅い組織ならPredictive。

捉え直すと

見るべきはproductの予測可能性、独立したusable incrementを作れるか、実利用feedbackを次に使えるか、trial and errorのコストを許容できるかです。

なぜ効くか

development approachを組織文化や好みではなく、productの学習条件から選べるようになります。

Adaptiveの本質は『速く作る』より、『作って学べる』。

PredictiveとAdaptiveをproductの学習条件で比較したMap
Map 0319 SourceAnchors · 参照から原文へ
04QUALITY ≠ TESTING

Qualityは、最後に検査する工程ではない。

ありがちな理解

品質を上げたければ、testやreviewを増やせばよい。

捉え直すと

testは不良を見つけます。Quality managementの本丸は、不良が生まれにくいtechnical / management processを設計し、preventionを組み込むことです。

なぜ効くか

後工程での発見コストに頼らず、設計・手順・役割の時点からqualityを作り込む発想になります。

Qualityはinspectionより、prevention。

12 Principlesを実務上の問いへ翻訳しQualityをpreventionとして整理したMap
Map 0419 SourceAnchors · 参照から原文へ
05MEASUREMENT ≠ OBSERVATION

Measurementは、現実を測るだけではない。現実を変える。

ありがちな理解

KPIは、projectの状態を客観的に映す温度計である。

捉え直すと

測った指標はgoal化し、人の行動を変えます。だからMeasurementはcurrent statusだけでなく、forecastとbehavioral effectまで含めて設計する必要があります。

なぜ効くか

『測れるから測る』ではなく、『この指標を置くと、人は何を最適化するか』まで考えるようになります。

指標は温度計ではなく、操舵装置でもある。

Plan、Work、Facts、Replan、Measurement、Actionを循環させるproject managementの制御ループ
Map 0519 SourceAnchors · 参照から原文へ
06DELIVERY ≠ ACTIVITY

Deliveryは、作業一覧から始めない。

ありがちな理解

まずtaskを洗い出してWBSを作れば、deliveryが具体化する。

捉え直すと

順番は Requirements → Deliverables → Activities。先に『何を満たす必要があるか』『何を渡せば満たしたことになるか』を決め、その後でactivitiesへ分解します。

なぜ効くか

忙しく作業しているのに、必要なdeliverableへ近づいていない状態を避けやすくなります。

Activityは目的ではなく、Deliverableの従属変数。

Deliveryを含む8つのPerformance Domainsを点検観点として整理したMap
Map 0619 SourceAnchors · 参照から原文へ
07PROJECT ≠ VALUE

Projectが終わっても、Valueの話は終わらない。

ありがちな理解

scope / time / costを守ってprojectをcloseできれば、成功は確定する。

捉え直すと

Projectが直接作るのはOutput。利用されてOutcomeが生じ、そこからBenefitが実現します。Benefitはproject closure後に現れることもあり、Portfolioはさらに『正しいprojectを選んでいるか』を見ます。

なぜ効くか

project単体の効率と、組織としてのValue最大化を同じ尺度で語らなくなります。

Doing things right と doing the right things は、別問題。

Requirements、Output、Outcome、Benefit、Valueの異なる管理レイヤーを示したMap
Map 0719 SourceAnchors · 参照から原文へ

THE THROUGH-LINE

7つをつなぐと、PMBOKは『固定手順』よりfeedback systemとして見えてくる。

Contextに合うmethodologyを選ぶ。Principlesで判断の質を見る。Performance Domainsで抜けを探す。実行からfactsを受け取り、PlanningとTailoringへ戻す。重要なのはprocessの数ではなく、目的・観測・適応がつながっていることです。

PMBOK 7の7つの横断インサイトを1枚にまとめたMap

ONE INSIGHT MAP

最後に、7つの示唆を1枚に戻す。

各論点を別々の豆知識で終わらせず、同じSourceAnchor群に戻れる1つのInsight Mapとして保存しています。

8ブロックのMapArtifact全体を見る
PMBOK 7のInsight MapArtifact全体

出典: Nader K. Rad, PMBOK® Guide 7, Underneath the Surface — CC BY。本ページはNader K. RadによるPMBOK 7の解説書から重要概念とインサイトを整理した事例です。同書は著者個人の見解であり、PMI公式本文そのものではありません。Mapの日本語整理・構造化はLensmap事例用に作成しています。PMBOK®はProject Management Institute, Inc.の登録商標です。